建設業の労災保険料
建設業の労災保険料はその計算の仕方が他の業種とは変わってきます。
本来、労災保険料は従業員に払った賃金に業種ごとに定められている労災保険料率をかけて計算されます。
しかし、建設業は受けた業務を下請け業者に請け負わせることも多く、その実態を把握することが難しいです。
下請け業者がまたさらに下請け業者にといういうようにつながっていくので、どの下請け業者が従業員にいくら払ったかまで、把握するのは大変困難です。
また月給制ではなく、日雇いの日給で計算されていることも多いのでさらにその把握は複雑になっていきます。
そういうわけで建設業は工事の請負高に業種によって定められている業務比率というものをかけて求められます。
例えば1000万円で家の建築を請け負った工事があるとします。
そうすると1000万円に労務費率の21%をかけて、210万円がこの工事の人件費というように計算されます。
この場合の労災保険料は210万円に労災保険率の1000分の13をかけて27300円となります。
しかし、1000万円の仕事をするのに人件費が210万円とは実際と比べてどうなのでしょう。
それは会社によってももっと多かったり、少なかったり様々でしょうが、あまりにもおおざっぱな方法と言わざるをえません。
また、労働局の方でも本当に1000万円の工事かどうか、発注書を確認するなどということは何か不正が起こった時以外はほとんどありません。
もちろん、税理士や社会保険労務士などが事務を代行する場合にはその正確性を記すために確認することもあるでしょう。
しかし、実態の把握が困難だからと言ってこのような方法で料金を計算しているのは何だか不思議な感じですね。