意外と大事な労災保険

労災保険に対する認知

私は以前、労働保険事務組合に勤めていました。 中小企業の労災保険、雇用保険の手続きを代行して行うところです。 そのときのメインイベントは年に一度の労働保険の年度更新です。 このときに労働保険料の見直し等、更新手続きを行うのです。

労働保険料は一年に従業員に支払った賃金によって確定されます。 そのために事務委託をしている中小企業に電話等で連絡を取り、書類を提出してもらったり、賃金のわかる書類を送ってもらったりするのです。 しかし、このときにびっくりしたのが労災に入っていることすら把握していない企業や、更新手続きに非協力的な企業が結構あることです。 いちおう事務委託をうけているので事務委託手数料も払ってもらっているわけですし、郵便物も年に数回送ったりもしています。

それなのに電話すると怪しい勧誘と間違えられたり、何度電話しても書類を送ってくれなかったりもします。 中小企業の中には社長さん自身も大変忙しく、必要な事務の状況も把握していらっしゃらない方が多いのです。 どんなときに労災を使えるのか、よく理解されていない方も実際に多いのだと思います。 しかし、労災保険は国の法律で決まっている加入義務のある保険です。

それでも建設業などでない限り、労災とは無縁の企業が多く、労災保険に対して関心が薄いのは仕方がないことなのかもしれません。 そこは政府の努力次第のような気もします。 もっと労災保険の補償内容について企業側に伝える機会を持つべきではないでしょうか。